北海道の北部に位置する稚内市の西方約60㎞の日本海上に浮かぶ礼文島(れぶんとう)は、礼文郡礼文町に属しています。利尻島や稚内市とともに、2012年に公開された映画「北のカナリアたち」の舞台となっています。礼文という地名の由来は、北海道の先住民族であるアイヌ語で「沖の島」を差す、レプン・シリという言葉からつけられました。
東西には約7.9㎞、南北には約25.8㎞、周囲は約72㎞で、人口は2013年4月1日現在、2814人の小さな島です。0メートル地帯から約200種類もの高山植物が咲き乱れており、別名として花の浮島とも呼ばれています。礼文島の西海岸は地形が険しくなっており、西からの強い季節風によって一年中厳しい気候に晒されているため、高い木の生えない、荒涼とした笹地が多い地形となっています。
2007年には温泉掘削に成功しており、高山植物を観察できるトレッキングコースや、黒ソイ・ガヤ・カジカなどが釣れるテトラポッドの穴釣り場が複数存在する等、自然を楽しむ観光地でもあります。冷涼な気候のため高山植物の分布も多く、利尻礼文サロベツ国立公園にも指定されています。近年は島の北端を中心に野生のアザラシが生息しており、一年中観察が可能となっています。